Nentrys(ネントリーズ)への転職を決めた、
マーケティングのスキル以上に大切なこと――「Marketing Native Career」
インタビュー・Nentrys遠藤峻、西田慎次



Marketing Nativeのキャリア支援事業「Marketing Native Career」。
今回は中古トラックなど商用車の販売・買取を行うWebサービス「トラック王国」で有名なNentrys(ネントリーズ)の遠藤峻さんと、上長の西田慎次さんをインタビューしました。
遠藤さんは主に広告代理店でキャリアを積んだ後、事業会社のマーケティングに興味を持ち、新たな挑戦への一歩を踏み出しました。
 
なぜ遠藤さんは転職先にNentrysを選び、現在マーケターとしてどんな仕事をしているのでしょうか。遠藤さんに転職前後における考え方の推移や将来の目標などについて、西田さんの話を交えながらお聞きしました。
 
マーケターの転職に興味をお持ちの方はぜひご覧ください。

   

★インタビュイー★
Nentrys株式会社
ICTソリューション部 マーケティング企画課 マーケティングチーム リーダー
遠藤 峻
   
Nentrys株式会社
ICTソリューション部 部長
西田 慎次
   

最高の成果創出には1人ではなく、みんなの力を

 

――遠藤さんがMarketing Native Careerに登録したきっかけを教えてください。
 
遠藤 マーケターに特化したキャリア支援であることに惹かれました。もともと前職、前々職と広告代理店にいて、ある程度の知見を身に付けられたため、今度は事業会社で主体的にマーケティングに取り組みたいと考えていました。クライアントの要望に対して成果を出すのではなく、マーケターとして自社の事業成長に貢献する経験が自分には必要だと感じていたからです。そんなときにMarketing NativeのメルマガでMarketing Native Careerを知って興味を持ったのが、登録したきっかけです。
  遠藤峻さん
   
――実際に利用をしてみて、使い勝手などはいかがでしたか。
 
遠藤 担当者の方が転職に関する経験が豊富で、私の状況や希望をよく聞いてくださり、具体的なアドバイスを頂けたことが良かったです。現に私自身が転職に成功して、とても満足していますので、現在マーケターとして活躍中でキャリアに関する相談がある方には刺さるのではないかと思います。
 
――ありがとうございます。転職以前のキャリアについて教えてください。
 
遠藤 新卒でスポーツ用品量販店のゼビオホールディングスに入社して、店頭での販売員を2年弱経験しました。キャリアの中でto Cのお客さまと直接触れ合い、物販を行ったのは今のところその期間だけです。今思い返してもとても楽しく、貴重な経験となりました。
 
その後、大学時代に勉強した英語を活かす仕事をしたいと思い、博報堂系のDACというデジタル広告を手掛ける企業のグローバルポジションに転職しました。DACには3年弱いましたので、デジタル広告まわりはかなり鍛えられたと思います。それから前職の外資系広告代理店に転職し、デジタル以外の4マス広告など総合的なメディアプランニングに従事しました。2社目ではデジタル、3社目でデジタル以外の広告に関する知見を幅広く身に付けられたと思います。
 
――キャリアの中で、特に印象に残っているエピソードはありますか。
 
遠藤 1つだけ挙げるとすれば、最初に勤めたゼビオでの経験です。配属されたのはある地方の大型の店舗で、店長がとても優秀かつ仕事に厳しいことで社内で知られていました。ただ、私は性格的に物怖じせず上長とコミュニケーションを取れるタイプです。そこを店長に気に入られたのか、まだ入社1年目なのに注力商品である高機能インソールについて店舗を統括する形での販売担当を命じられ、しかも全国に数多く存在する販売店の中で全店トップを取れと言われたのです。その店舗自体は全国でも有数の大きさでしたので、全店トップを取れる可能性こそありましたが、さすがに入社1年目の私には高いハードルでした。
 
もともと販売自体は得意なこともあって、一生懸命頑張り、最初はそれなりの成果を上げていました。しかし、途中で「どんなに頑張っても自分1人の力では到底、全店1位の目標に達しない」と気づいたのです。
 
それからは店舗全員に営業トークのスクリプトや売り方のコツを共有して勉強会を開いたり、「みんなで数字を作ろう」という雰囲気づくりを行ったりして、スタッフ全員の意識を高めることに努めました。その結果、みんなの頑張りの甲斐もあって、半年ほどで無事に目標を達成できました。「早く行きたければ1人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」ということわざがあるそうですが、「なるほど、こういうことか」と実感したのをよく覚えています。
 
 

スキル以上に考慮されるカルチャーフィットの重要性


 
――話を戻しまして、転職先としてNentrysを選択した背景を教えてください。
 
遠藤 2点あります。1点目は、事業会社のマーケティングに主体的に関われそうだと感じたからです。先ほどもお話ししたように広告代理店のDAC時代から、事業会社において自分でPDCAを回しながらトータル的にマーケティングに取り組みたいと考えていました。
 
Marketing Native CareerをきっかけにNentrysの存在を知り、興味を持って話を聞いてみたところ、まさに自分が求めていたようなマーケティングに主体的に関われる環境があると感じました。その上で、そのような職場で働けることは自分にとってチャレンジングであり、マーケターとしての成長につながるはずだと思ったことが理由の1つです。
 
もう1点は、Nentrysの社風やカルチャーが、自分にフィットしていると感じたことです。入社前に西田や副社長の三宅らと面談して、「社員がみんな柔和で仲が良さそう」「風通しが良さそう」「気持ち良く一緒に働けそう」と思いました。会社選びにおいてカルチャーフィットはとても重要だと考えていて、その点でNentrysのカルチャーが素晴らしいと感じたことは、選択の大きな理由になっています。
 
――次に、遠藤さんの採用を担当された西田さんに伺います。遠藤さんのどこに魅力を感じたのでしょうか。
 
西田 私も2点あります。1点目は遠藤の業務経験とスキルに関する魅力です。私が部長を務めるICTソリューション部には、マーケティング企画課と制作開発課の2課があり、遠藤の採用前はマーケティング企画課のマネージャーが不在で、私が縦兼任をしていました。ただ、それでは組織として十分な働きができないため、当初はマネージャー候補を探していたのです。
 
西田慎次さん
 
 
その後、マネージャーの採用が決まったタイミングでMarketing Native Careerさんから「いい人材がいる」と遠藤を紹介いただいたのですが、最初は正直「もうマネージャーは決まったし、どうしようかな」と思いました。ところが遠藤の経歴を見たところ、マーケティング、プランニングにおいて豊富な経験と高いスキルを持っていることがわかり、ぜひ一度話を聞いてみたいと興味を持ちました。
 
ただ、これは採用を決めた理由の30%です。残りの70%は、遠藤の人柄が私たちのカルチャーに合いそうだと感じたことでした。つまり遠藤がNentrysに対して感じたことを、私たちも遠藤に感じていたのです。「何をやるかより、誰とやるか」と言われますが、Nentrysは特にその考え方を大切にしていて、代表の津島(一夫さん)をはじめ、役職者の間で共通認識のようになっています。
 
ですから、遠藤がいかに優秀なスキルを持っていたとしても、一匹狼で自分のスキル向上だけを追求するタイプだったら、採用はしていなかったでしょう。採用までのコミュニケーションを通じて、私たちと考え方や感覚が近く、平たく言えば「ウマが合いそうだ」と感じたところが魅力となり、採用を決断しました。
 
 
 
――遠藤さんに仕事内容についてお聞きします。入社時はマーケティングチームの「メンバー」として参加し、現在はすでに「リーダー」を務めていらっしゃるとのこと。具体的にはどんな仕事をしているのですか。
 
遠藤 ミッションとして追っているのは集客と業務効率改善の主に2つです。集客とは、リードを獲得して有効な商談数をいかに多く集めるかの追求で、成果につながることなら迷わず、いろいろな施策に積極的に挑戦しようと言われています。そのため、メディアの広告はもちろん、コンテンツの制作・管理、SEOのほか、Twitter、Instagram、YouTubeをはじめとするSNSを活用したマーケティング・ブランディングなど、打ち手は多岐にわたります。まだ入社して半年ほどですので、今は1つを深掘りするより、幅広くさまざまな施策を試しながらトライアル・アンド・エラーで進めています。
 
――実際に働いてみて、仕事の面白さや充実感はどうですか。あるいは入社前に想像していた内容とのギャップなどがあれば教えてください。
 
遠藤 マーケティング全体をトータルに捉えて、主体的に動きながら成果創出に向けてさまざまな施策に取り組めるという点は、入社前に期待していた通りでした。そういう仕事がしたくて転職をしましたので、やりがいを感じますし、充実しています。
 
一方、「主体的に動く」という点については想像以上で、自分の甘さを感じるときがあります。それまでの職場でも能動的、主体的に仕事をしているつもりでしたが、広告代理店はやはりクライアントあっての仕事であり、考え方としてクライアントファーストです。クライアントが用意した「お題」に対してどう応えるのかという代理店のマインドに知らないうちに染まっていたのだと感じています。
 
――主体的な仕事をしたいと思って入社したら、思った以上に主体性を求められるぞ、という感じですか。
 
遠藤 そうですね。事業会社では成果創出のために何をすべきか、なぜ必要なのか、予算はいくらかかるのかなど、全てゼロベースから考えなければなりません。それは自分の場合、想像以上に発想の転換を求められます。そこがハードルの1つであり、やりがいや充実感につながっています。
 
 

求められる「Will」「Can」「Must」のバランスと言語化能力


 
――遠藤さんはご自身でマーケターとしての強み、弱みはどこにあると思いますか。
 
遠藤 メディアプランニングの経験が長いので、その領域に関しては一定の知識やスキルを身に付けていると自負しています。逆に弱いところは、その領域に知見が偏っていることです。
 
もう1つ、強みだと思うのは、コミュニケーションに対して積極的になれるタイプだという点です。マーケターにとって顧客理解など重要な要素はたくさんありますが、特に事業会社においてはコミュニケーション力が伴っていないと完結しないことが多いと感じます。
 
――どういうことでしょうか。
 
遠藤 何をするにしても、自分たちが所属する部や課だけで終わることは少なく、部署をまたいだ連携が必要になります。そのため、物事が円滑に進むように交渉、折衝することが重要で、私はそういうコミュニケーションを得意にしています。

 
 
――ありがとうございます。再び西田さんに伺います。遠藤さんの働きぶりに対する評価はいかがですか。早くもリーダーに昇格したとのことですが、その点での期待などを教えてください。
 
西田 遠藤にはコロナ禍におけるリモートワークがベースになった状況でジョインしてもらいましたので、難しいところもいろいろあると思います。コロナ前ならオフィスで「ちょっといい?」と気軽に声を掛けられたのが、今はチャットで一度連絡を取ったり、Google Meetを立ち上げたりしないと直接話すことも難しい状況です。そんな環境にありながら、しっかりと考えて、常に意図を持って動いてくれるところを評価というと生意気ですが、とても頼もしく、ありがたいと感じています。
 
また、リーダーについては任命制ではなく、立候補制にしています。リーダー業務については私から声を掛けることはしたくなくて、希望する人がなるべきだと考えているからです。ですから遠藤が手を挙げてくれたときはシンプルにうれしかったですし、今のところ何の問題もなくリーダーが務まっていると思います。
 
――遠藤さんはなぜリーダーに手を挙げたのですか。
 
遠藤 入社したばかりで自分が手を挙げていいのかという迷いはありましたが、こういうチャンスはあまりありませんし、自分こそ引っ張っていくべき存在だと考えていたからです。入社時の面談などでも西田らから、他のメンバーを引っ張る役割を担ってほしいという趣旨の話を聞いていましたので、自分としても早く応えたい気持ちを持っていました。
 
――マネジメントに興味があったのですか。
 
遠藤 はい、正式に部下を持ったりチームを率いたりした経験があるわけではないですが、もともと興味はありました。また、ゼビオ時代に全店トップを取った経験から、チーム全体を引っ張って底上げできれば大きな成果につながるし、組織全体が強くなるとわかっていますので、そういう役割を担えるチャンスがあるなら、ぜひトライしたいという気持ちを常に持っています。
 
――西田さん、これからの遠藤さんにさらに期待したいことは何でしょうか。
 
西田 Nentrysは、自分がやりたいことの「Will」、できることの「Can」、やらなければいけないことの「Must」、この三者のバランスを重要視しています。遠藤は、「Can」は自分で理解できていますし、会社として求める「Must」については、常に話して共有しています。あとは「Will」、つまり彼の意思として実行したい施策や目標達成へ向けた方向性、目標までのギャップに対して取り得る手段などをいち早く言語化してもらうことを期待しています。
 
私は、言語化されたものに対する評価をするつもりはあまりなくて、まず言語化することを評価したいと考えています。言語化されるから「それは以前やったことがある」「その発想はなかった」とレスを返せるわけです。アウトプットについてはどんな形で出てきても100点はないと思っていますから、アウトプットに対する良し悪しを判断するより先に言語化したことを評価して、そこから一緒に議論してより良いアウトプットにつなげていきたいと思います。
 
 
 
 

CMOへの憧れと海外事業挑戦への期待


 
――わかりました。では、再び遠藤さんにお聞きします。遠藤さんが考える理想のマーケター像はどんなタイプですか。
 
遠藤 理想というか優秀だと思うのは、常に結果を出せるマーケターです。結果の定義は会社によって異なると思いますが、業種や業界、商材が違っても、あるいはB to BからB to Cに変わっても、会社が求める結果を常に出せるのが優秀なマーケターであり、自分もそうなりたいと考えています。
 
マーケティングに関する記事などを読んでいると、今は「○○マーケティング」のような“How”の部分が先行している感覚が自分の中にあります。もちろんそういう方法論も重要ですが、私としてはもっと本質的な“What”や“Why”の部分を突きつめて、そこから“How”に落とし込んでいくような全体の設計をできるようになりたいですし、それができた上で必ず結果を出せる人が理想のマーケター像だと捉えています。
 
――遠藤さんご自身の今後の目標や夢などを教えてください。
 
遠藤 PL責任を持つブランドマネージャーのような立場に就くのが当面の目標です。それを積み重ねた先にCMOというポジションがあると思います。CMOに憧れの気持ちはありますし、いずれはCMOになりたいですね。
 
それから、Nentrysは海外向けの事業も展開していますので、マーケティングと英語のスキルを活かしながら自分も携わってみたいと考えています。
 
――それは楽しみですね。では最後に西田さんから、Nentrysで今後採用したいマーケターの人材像を教えてください。
 
西田 私たちにとって事業はもちろん重要ですが、ある意味では手段でもあります。では、目的は何かと言うと、企業のビジョンとして掲げている「世界中で働く人々の笑顔と未来をつなげよう」になります。そのビジョンを実現するために、私の部署は全員がとても大きな役割を担ったマーケターだと考えていて、もっと言うとNentrysの社員全員がマーケターだと思っています。
 
なぜなら、私はマーケティングを「そのサービスを利用したいという感情を作ること」だと定義しているからです。その意味ではマーケティング企画課のメンバーはもちろん、お客さまと展示場で接する営業部員や、営業部員を支えるバックオフィスの人たちなど全員が、Nentrysのサービスを利用したいという感情を生むことに役立つ業務をしています。だから社員全員をマーケターだと捉えているのです。
 
私たちの掲げるビジョンに共感していただき、共感の輪を広げるために自分の力を発揮したいと思える方にジョインしていただければ、お互いハッピーになれるでしょう。そんな方をお待ちしております。
 
――ありがとうございました。
 
 
Profile
遠藤 (えんどう・しゅん)
Nentrys株式会社
ICTソリューション部 マーケティング企画課 マーケティングチーム リーダー。
新卒でゼビオホールディングスに入社し約2年間の店舗業務を経験。その後、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムのグローバルメディア部、ビーコンコミュニケーションズのコネクションストラテジー部などを経て、2021年Nentrys入社。
ニックネームは「ヤット」。
 
 
西田 慎次(にしだ・しんじ)
Nentrys株式会社
ICTソリューション部 部長。
ベンチャーのネット広告代理店でキャリアをスタート。その後、ホテルの予約システムASPベンダーを経て、ネット広告代理店時にクライアントであったNentrysに2012年入社。 ティエリ・アンリがキッカケでアーセナルファンとなる。冨安の加入はもちろん嬉しいが、エミール・スミス・ロウやブカヨ・サカといった生え抜きがどうしてもお気に召す。  
 
(取材・構成:Marketing Native編集部・早川 巧、文:椎原 よしき)